年頭のごあいさつ 会長 横山清
新年のごあいさつ
社団法人日本セルフ・サービス協会 会長 横山清
新年明けましておめでとうございます。日頃よりスーパーマーケット業界の発展に、また協会活動にご協力いただき、改めて厚く御礼申し上げます。
昨年は、全国スーパーマーケット協会と日本セルフ・サービス協会の合併という大きな動きがありました。皆様のご協力により、合併手続きが無事完了いたしましたことを重ねて御礼申し上げます。
昨年中は合併に伴う様々な業務に追われておりましたが、本年は会員間の交流を推進し、両協会の培ってきた長所を生かしつつ、ひとつの協会としての結束を高める活動を強めるとともに、スーパーマーケット業界の正しい実態や動向を伝え、生活者や行政、メディア等に対し業界としての認知・理解を深めていただく活動を、本格的に始動してまいります
振り返りますと、昨年は前半こそインフレ傾向があり、ある程度の売上を確保できる状況にありました。しかし、後半のいわゆる「リーマンショック」以降、世界的な不況が続いています。私たち流通・小売業界においてもその影響は大きく、各社とも低価格路線を余儀なくされています。この1年で、物価の体系が大きく変わってしまった中で、とにかく「いかにして生き残っていくか」が最重要課題になってしまいました
価格競争からは、そのダメージは減らすことはできても、完全に脱却することはできません。その中で、生き残るためにはどうすればいいのか。大変難しい問題ですが、厳しい時代認識のもと、正々堂々と、この修羅場の中で利益を得る方法を見出さねばなりません
アメリカのスーパーマーケットは、1930年代の恐慌時に成長しました。同じような経済状況になった今、私たちは今までのすべてのノウハウと結束をもって、難局に立ち向かわなければなりません。私たちは食のライフラインとして生活者を守り、安心・安全な商品、明日への希望が湧きだす商品を安定的に提供する役割を担っているのです。この試練を超え、人々に夢を売る場となり、働く人に満足感を与えられる企業・業界となるために、協会として新しいスーパーの形をつくる支援活動を積極的にしていきたいと考えています
今年度から新たに、協会会員企業の売上統計を発表していく予定です。現在、総務省の「日本標準産業分類」には、百貨店、総合スーパー、コンビニエンスストアはあるものの、スーパーマーケットという分類はありません。業界の“戸籍”がないのが実態です。この戸籍を作るためにも、また業界の売上規模や地域性の広さがいかに大きく重要なものであるのかを、行政やメディア、そして生活者にアピールすることが求められています
私たちは、環境問題、今後の消費税率の問題、パート・アルバイトなど非正規社員の待遇の問題など、1社だけでは解決できない、同様の課題を抱えています。協会では、業界が進むべき道を示すとともに、意見を集約して行政や関連業界に提言を行い、展示商談会や「バイヤーズ“食”セレクション」などのビジネスマッチング事業を通じて新しい技術や製品を紹介し、また、経営者育成をはじめとする教育や、「スーパーマーケット検定」「チェッカー技能検定」「食品表示管理士検定」など各種資格試験の実施により、イノベーションをもたらすお手伝いをいたします。
2月8日~10日の「第44回2010スーパーマーケット・トレードショー」は、今回も東京ビッグサイト東ホール全館で開催致します。おかげさまで、この不況下においても過去最大規模の出展となりました。地方自治体や地方金融機関などとの新たな「産官農」の連携も手伝い、各地の逸品が集結して、全国のバイヤーが集まり、確実に商談ができる場です。また、この困難な時代におけるスーパーマーケットの在り方の“海図”を指し示すセミナーや展示が行われます。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げますとともに、関係各位のご健勝とご発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします