平成27年 年頭のごあいさつ 会長 横山清
新年のごあいさつ
一般社団法人新日本スーパーマーケット協会 会長 横山清
新年明けましておめでとうございます。皆様には、日頃よりスーパーマーケット業界の発展と協会活動に特段のご協力を賜り、改めて厚く御礼申し上げます。
さて、昨年を振り返りますと、なんといっても消費税率の引き上げが多大な影響をもたらしました。円安の進行や、世界的な資源の逼迫によって食品原料の原価も高騰しており、また燃料の高騰で電気代などの光熱費も上昇しつづけております。スーパーマーケットは引き続き厳しい経営を強いられています。
東京でのオリンピック開催決定や、株高などで消費が上向く気運が高まったものの、結局のところ賃金水準は低いままで、スーパーマーケットでの消費動向に波及することはなく、特に地方における景気の閉塞感はむしろ強まっています。
政府は「地方創生」を掲げ、地方の人口減少抑制と、それぞれの特徴を生かした地域社会の創生を目指していますが、スーパーマーケットも地域における食のライフラインを担う存在として、地方創生の波に乗れるよう、協会としても働きかけてまいります。
一方で、こうした厳しい環境の中においても好業績を挙げているスーパーマーケットが全国各地に存在することは、まことに誇らしいことであります。これら好調な企業に共通するのは、経営者はもちろん、従業員のモチベーションの高さにあるといえるでしょう。人手不足が叫ばれ、雇用確保が困難を極める状況において、従業員ひとりひとりの持つ力を高めていくことが不可欠です。
当協会では、スーパーマーケット検定(S検)の実施による資格認定や講習会の開催を通じて、従業員の専門知識習得、資格取得によるモチベーションアップを推進しております。受験者数も年々増加しており、業界スタンダードの資格として厚生労働省の基準に準拠しているものですので、ぜひご活用ください。
また、人手不足解消の一助となる事業として、就職活動中の学生に向けて食品産業の魅力を伝える新卒採用支援事業「Rプロジェクト」を行っています。2016年卒業予定者向けには約30大学と連携し、食品メーカー、卸、小売に対する興味を深めるプログラムを実施しています。
今春には、規制改革の一環として、食品の新たな機能性表示制度がスタートする予定です。いわゆる健康食品だけでなく、すべての食品に機能性表示が可能となります。アメリカでは、同様の制度の導入により健康食品のマーケットが急拡大し、お客様の健康に対する関心が高まり、健康をコンセプトにしたスーパーマーケットが急成長したと言われています。当協会では、競合関係にあるドラッグストア業界とも連携し、この新たなマーケットを育成するための研究を進めております。
そのほか、協会ならではの活動として、「お弁当・お惣菜大賞」「ベスト店長大賞」などのアワードの実施、業界3団体合同「スーパーマーケット統計調査」の公表による業界動向の広報、流通4団体合同の流通BMS普及推進による経営効率化支援などを引き続き実施して参ります。
また、一橋大学、インテージと共同プロジェクトを組み「消費者購買指数」を開発しました。特売価格を含めた実売価格、販売数量のほか、新商品効果も織り込んだ画期的な指数として行政や金融界からも評価を受けております。毎週、最新のデータを無償で公表し、皆様の景気判断や研究用途への活用に寄与してまいります。
本年2月10日~12日、東京ビッグサイト東ホール全館で開催致します「第49回スーパーマーケット・トレードショー2015」は、今回も「豊かな地域社会づくりのために」をサブテーマに掲げ、地方創生を支援してまいります。
単に商品やシステムを紹介するだけではなく、各出展者から、売場やオペレーションの革新に直結する提案があり、併せてセミナーや主催者企画が行われます。産官学に金融機関なども加わり、あらゆる提案が行われます。スーパーマーケット業界を挙げての展示商談会となっておりますので、多くのご来場を心よりお待ち申し上げます。
消費環境は日毎に厳しくなっておりますが、協会設立の目的であるスーパーマーケット業界の認知と地位向上を目指し、また、会員の皆様の進路を照らす灯台としてお役立ちできるよう、協会活動を推進してまいります。
最後になりましたが、関係各位のご健勝とご発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。